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資産クラス毎の値動き分析、各種株価指数イベントの考察、アノマリーの検証、225オプションのリスク管理備忘録です。日本株&デリバティブの運用と金融翻訳で生計立てています。

Weekly Market Summary: 2021/6/25

6/21-6/25: FRB高官発言のタカ派トーン低下を受け、リフレ志向回帰からバリュー株強く、米長期債利回り上昇。また、楽観の高まりからVIXは15pts割れ目前。一方、コモディティや仮想通貨はタカ派転換の余波続き軟調な展開。

 曜日別の主な材料は、

  • 6/21(月):  FOMCウィリアムズ氏発言
  • 6/22(火): FRBパウエル議長証言、FOMCデイリー氏発言、米5月中古住宅販売戸数 - (実)5.80M (予)5.72M (前)5.85M
  • 6/23(水): FOMCボウマン理事、ボスティック氏発言、米5月新築住宅販売戸数 -(実)769K (予)870K (前)817K
  • 6/24(木): バイデン氏インフラ投資計画で超党派合意、FRB大手金融機関ストレステスト結果発表、米5月耐久財受注 - m/m (実)2.3% (予)2.8% (前)-0.8%、米新規失業保険申請件数 - (実)411K (予)380K (前)418K
  • 6/25(金): 米5月PCE物価指数 - y/y (実)3.9% (前)3.6%、米6月ミシガン大学消費者信頼感指数 - (実)85.5 (予)86.4 (前)82.9

株式: FRB高官発言のタカ派トーン低下を受け、リフレ志向が再開し、sp500の高値更新が続くなどバリュー・ローテーション優勢。日本株は、先週末のブラード・ショックをいつもながらの先物大幅安の過剰反応で受け止めたが、その後は米市場のリフレ物色に沿う形でsp500やnydowとの連動を高め急回復を示した。

ボラティリティ: 楽観の高まりでVIXは15pts割れ目前も、Skewは170ptsへ急上昇。VIXの10pts水準は見たことがあるが、Skewの170ptsはここ20年で見たことがない。Skewの上昇は、高値水準での踊り場的様相を見せる指数の急落警戒からのPut買い(建て埋め両方)やcheap volsを拾うニーズの強さが影響か。

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債券: 早期利上げ懸念の後退を受け、長期債利回りの上昇が目立ち、イールドカーブはスティープ化。10年債利回りは8bps上げ、10年物BEIは10bps上げ、実質金利は-80bps台まで低下した。

通貨: 米ドルは、ショートカバー一巡から上げ一服。ユーロや資源国通貨は小反発、新興国通貨は相次ぐ利上げに支えられて堅調。ビットコインは中国の規制強化が重しとなり、軟調な動き続く。
コモディティ: 原油は、7/1のOPECプラスでの供給増を巡る思惑より米在庫減を含む需要増期待大きく、続伸した。銅は、中国の備蓄放出が懸念されるものの、先週の大幅安から小反発。穀物は、依然として先週FOMCタカ派転換余波が続き、仮需解消主導で下げが目立った。 

来週以降のn225想定: VIXとSkewの乖離の修正が迫られるとすれば、来週のISMや雇用統計などの景気・雇用指標の発表か。そこで波乱無ければ、7/28のFOMC結果や7/31に期限を迎える米債務上限問題か。7月下旬以降でもこれらのイベントへの警戒感が高まらず、ボラティリティが上がってこないようなら、先週のFOMC後のようなイベント後の波乱もあり得る。

 

 

 

                                                                                                                                       

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