The less volatile market, the easier life!

資産クラス毎の値動き分析、各種株価指数イベントの考察、アノマリーの検証、225オプションのリスク管理備忘録です。日本株&デリバティブの運用と金融翻訳で生計立てています。

derivatives

VaR方式への変更による先物オプションの証拠金計算の影響とは?

11/6より先物オプションの証拠金計算方式がSPANからVaRへ変更された。過去5年のデータ(コロナショック時を含む)を基に信頼区間99%で想定損失が計算されることで、最も影響が大きかったのが、Far Out-of-the-moneyのPutオプションになったと思われる。ざっ…

米雇用統計及びCPI発表前後の日経225オプションIVの動き

利上げ打ち止め予想の前提の下でディスインフレ進行と堅調景気の持続を好感したゴルディロックス相場も7月で終焉を迎え、8月に入ってからはフィッチの格下げと国債増発に端を発した需給悪化による米長期金利の上昇に加えて追加利上げ観測も高まっている状況…

備忘録: 2023/8/18 日経225オプション9月限 夜間市場で期近IVが急動意

米10年債利回りは、相次ぐ堅調な景気指標を受けて追加利上げ観測が高まり始めたところに、財務省による中長期債増発で需給悪化懸念が台頭し、BEIは低下傾向の一方で実質金利は2%目前まで上昇している(下図参照)。 中国では、不動産バブル崩壊が金融システ…

備忘録: 日経225オプション8月限 2023/7/14夜間市場 PutのIV急落

6月下旬以降、日経225は需給とマクロ両面から下落傾向続く 7/7発表の毎月勤労統計における現金給与総額の予想大幅上振れをきっかけに、次回の日銀政策決定会合でのYCC修正への思惑が広がった。今週、10年物国債利回りは0.4%から一時0.475%へ上昇し、日銀の指…

VIXと政策金利の逆相関

2/8付日経スクランブル「米恐怖指数、株安でも沈黙」では、VIXが金融引締時に理論値を下回る傾向を示すとあった。金利上昇に伴い、業者のキャリーコストが上昇すると、B/Oスプレッドの拡大及び流動性の低下が起き、オプション建玉も減少という一連の流れがで…

n225オプション 2022/1/21: 1月FOMC接近につれ、期近(2月限)PutのIV上昇ペース加速

下図は、1週間のn225期近先物の日中&夜間4本足。昨年8月のザラ場安値26,850円が目前。 下表は、主要株価指数の直近変化率で、左から順に、前週比、直近Drawdown、2018年Drawdown。先週は、既に直近高値からの下落率が10%超えで調整局面入りの米ナスダックの…

n225Put裸売りへの戒め

裸Put売りは危険と言われる。資力を顧みずにdeep-OTMのPut裸売りを大量ホールドし、満期までたかが数日と高をくくっていたところに、テールイベント直撃を食らい、破産そして富士の樹海行きという結末をつけた人の話も聞く。規律を守った証拠金及びデルタ管…

n225オプション 期近deep OTM PutのIVは軟化: 2021/9/22

中国恒大集団による9/23の社債利払い実施発表を受け、n225は10:30頃に前日比プラスへ浮上するも、その後は弱含みに終始し、0.67%安で引け。尚、米ドル建てのオフショア社債の利払いに関する言及はない模様。上海は意外にしっかり、台湾やや下げきつく、香港…

2014年以降の米金融正常化過程におけるFOMC前後のsp500指数及びVIXの動き

VIXが最も大きく上昇したのは、テーパリング終了が決定された2014年10月の前回会合を踏まえた2014年12月会合時。フォワードガイダンスが変更され、利上げに向けた環境作りに着手の位置付け。 次に大きく上昇したのは、利上げ転換された2015年12月の会合以降…

sp500指数及びVIXの月中季節性: 第3週の上昇傾向強まる

暫く休んでいたブログ執筆を細々ながら再開。昨年9月以降続いた月末下落アノマリーが今年8月で途絶えたことも心理的重し解消に一役買って、n225が上昇モメンタムを強めている。 8/30付日経朝刊13面に、sp500指数及び VIXに関する個人的にも気になっていた傾…

備忘録: 2021/9/3 菅首相辞任と期近先物及びコールのショート踏み上げ

ほぼ1年前の2020/8/28に辞任表明した安倍首相は、瞬間約600円株を下げ、菅首相は約600円株を上げた。是非はともかく、何とも対照的で皮肉な結果であった。 先物及び期近コールのショート踏み上げがIVの上昇と相まって、指数急騰に寄与。満期まで1週間の9月限…

2020年11月限26000コール: 「予断は禁物、一寸先は闇」

11月限26000コールの裸売りしてたら、 満期まで1週間の11/6(金)引け時点で、11月限26000コールのプレミアムは、先物24350に対して3円、IVは21%弱。ATMまでまだ1,650円上、7%弱のOTMで、まあ逃げ切りセーフかなと思っていた。IV21%は、1週間換算にすると約2.9…

2020米大統領選に向けたボラティリティ想定

11/3の米大統領選挙まで2か月を切った。 前回2016年は、事前のクリントン氏優位のコンセンサスが覆り、トランプ氏勝利という想定外の結果。前回の大統領選挙前後の日米指数とボラティリティ推移を確認すると、ざっくり言って、投票前は指数の動きが小さな割…

イベント備忘録: 安倍首相辞任 2020/8/28

先週は、米中関係の緊張といった地政学リスクの高まりに加えて、27日(木)のFRBパウエル氏によるジャクソンホールでの講演や28日(金)の安倍首相の記者会見といった要人イベントが予定されていたこともあり、あらかじめボラティリティの高まりが想定される週で…

S&P 500 VIXの回顧と見通し

一時は60越えもあったVIXは足元20台半ばでやや落ち着いている(図1参照)。2017年以降では、概ね10から20のレンジで推移しているが、30まで上昇した山が今回のコロナショックを除くと2度確認できる。2018年初めの利上げ局面における量的引締時と2018年末の利…

ベガ発狂

恐怖は狂気を強化する おはギャー連荘の幕開けとなった2020年2月最終週を私自身への自戒を込めて振り返ります(図1参照)。急落のトリガーは、日本が祝日であった2月24日にCDCがコロナ流行に対する注意喚起を行ったことを受けた米国市場の急落でした。結果論…

行使価格選択への迷い

期近Putの売り、行使価格はどれにする? 1か月というのは短いようで長いものです。とりわけ、ボラティリティが高まる相場では長く感じられます。本来、物臭な人間はオプション取引なぞやるべきではないのですが、プレミアムを端から受け取れるというのが日本…