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資産クラス毎の値動き分析、各種株価指数イベントの考察、アノマリーの検証、225オプションのリスク管理備忘録です。日本株&デリバティブの運用と金融翻訳で生計立てています。

Weekly Market Summary: 2021/6/4

5/31-6/4: 3日(木)までの好調な景気指標を受けたnasdaq安&米債券安&米ドル高&コモディティ安の流れが雇用統計(雇用者数)下振れを受け反転、テーパリング懸念後退からnasdaq高&米債券高&米ドル安&インフレ長命化期待からコモディティ強含み

 曜日別の主な材料は、

  • 5/31(月): Memorial Day 米休場 
  • 6/1(火): 米5月ISM製造業景気指数 -  (実)61.2 (予)60.9 (前)60.7
  • 6/2(水): ベージュブック
  • 6/3(木): ADP非農業部門雇用者数 - (実)978K (予)650K (前)654K、米新規失業保険申請件数 - (実)385K (予)390K (前)405K、米5月ISM非製造業景気指数 (実)64.0 (予)63.0 (前)62.7
  • 6/5(金): 米5月雇用統計 非農業部門雇用者数 - (実)559K (予)650K (前)278K、失業率 - (実)5.8% (予)5.9% (前)6.1%、平均時給 - y/y (実)2.0% (予)1.6% (前)0.4%、平均時給 - m/m (実)0.5% (予)0.2% (前)0.7%、

株式: 米株は、週間では小幅高。nydow及びsp500は高値更新目前。AMC等のmeme株が蒸し返しが見られる等、個人は活発。FRBの流通市場企業信用制度(SMCCF)での購入社債及びETFの売却方針発表が一時動揺を誘ったりする等、金額的に大した影響のない材料でも、株式市場はテーパリングに結びつけてしまう過敏症は暫く続きそう。

日本株は、欧米に遅れてのワクチン接種進展からの経済正常化期待から、株価の戻りが鈍かった陸運や空運の見直し買いが目立った。とは言え、米国のインフレやテーパリング等のマクロ要因がより気掛かりであり、本腰の入った買いとも言えない印象。

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株価指数ボラ: sp500 VIXは、週末の雇用統計発表後に16台前半まで大きく低下したが、Skewはやや低下も依然として150弱で高止まりが続くのは嫌な感じ。n225 VIは、米雇用統計の影響を織り込めていないため、前週比1ポイント上昇だが、来週頭にはそれなりの低下が見込まれる。

債券: 米長期債利回りは、週末の雇用統計までは強めの経済指標にも反応は限定的であったが、下振れの雇用者数見て10年債は1.5%台半ばまで急低下。BEIもパラレルに低下しているため実質金利の水準に変化はなく、10-2 spreadは3bps程縮小。

通貨: 米ドルは雇用統計後の米長期金利急低下からの下落で、週間では往って来い。資源国通貨は、原油高を好感し全般に堅調。円は一時110円越えも週末に跳ね返された。元は当局の元高抑制観測からやや軟調な動き。ルーブルは、政府系ファンドの米ドル売却報道はあったがこちらも往って来い。仮想通貨は小反発だが、マスク氏の口先介入から依然として不安定な展開が続く中、ビットコインイーサリアムでは後者の優位が定着しつつある。

コモディティ: テーパリング懸念後退=インフレ警戒継続でヘッジ買い宴のコモディティバブルはまだ終わらず?原油は、OPECの減産縮小確認やイラン産原油の供給再開思惑等の売り材料はあるものの、経済正常化に伴う需要拡大期待や軟調モードの米ドル等買い材料が優勢で続伸。穀物も、北米の低温&乾燥等気候要因や米ドル安から反発。

来週のn225想定: 来週は10日(木)の米5月CPIが最大の注目。前回大きく上振れた米4月CPIは5/12(水)発表だったが、週初に10年物BEIが2.54%に急伸したことで一気に警戒が高まり、n225も3日間で2,000円を超える下げを余儀なくされた。週末の雇用統計を受けてテーパリング懸念は和らいだため週初は堅調な動きを見込むが、その後は今回も幾分ベース効果が残ると見られるCPIへの警戒モードへの切り替えが進むと見る。

日銀砲発動のハードルが上がったことで仕掛売りが入りやすくなった影響も大きいと思われるが、ザラ場の高安振幅は拡大傾向にある。CPI発表前に吹き上がりでもあれば、絶好の仕掛売りポイントになるかも。また、振幅拡大はvega long/gamma longのoptionality活用も手掛けやすくなる効果も。

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