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資産クラス毎の値動き分析、各種株価指数イベントの考察、アノマリーの検証、225オプションのリスク管理備忘録です。日本株&デリバティブの運用と金融翻訳で生計立てています。

Weekly Market Summary: 2021/5/28

5/24-5/28: 株式市場が景気回復重視に移行で、米4月PCE物価指数の上振れも悪材料視されず、米インフレ高進懸念は沈静化し、全資産クラスがFRBに首を垂れる?

 曜日別の主な材料は、

  • 5/24(月): 
  • 5/25(火): 米5月消費者信頼感指数 - ⇩ (実)117.2 (予)119.2 (前回)117.5、米4月新築住宅販売戸数 - ⇩ (実)863K (予)970K (前回)917K
  • 5/26(水): 日5月景気判断3か月振り下方修正
  • 5/27(木): 米4月耐久財受注 m/m - ⇩ (実)-1.3 (予)0.7 (前回)1.3、米新規失業保険申請件数 - ⇧ (実)406K (予)425K (前回)444K、MSCI半期リバランス
  • 5/28(金): 米4月PCE物価指数 y/y - ⇧ (実)3.6 (前回)2.4、バイデン大統領が予算教書発表

株式: 日本株は、戻しは見られたもののショートカバー中心の印象で、年初来高値更新のdax人民元レートの元高誘導で海外資流入期待のshanghaiに比べると物足りなさが残り、中欧米選好の流れは変わらず。道中27日のMSCIリバランスは、約5,000億円の売りと観測されたが、前場で安値を付けた後は引けにかけてショートカバーで戻し、翌28日は需給悪解消で大きく反発した形。

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 株価指数ボラ: VIXとSkewの乖離が拡大。sp500 VIXは、株式市場の癇癪収束で楽観高まり16台まで大きく低下も、Skewは上げ止まりが見られず一気に150台突破で急落リスクもはらむ。VIX先物の投機筋ネットショート残も縮小中なのも気掛かり。Term Structureは、短期は大きく下げたが、長期は高止まりでcontangoが上昇し、2~6か月先の不確実性は高い。

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債券: バイデン大統領の予算教書での6兆ドル歳出報道を受け、需給悪連想から瞬間的にイールド上昇する場面も見られたが、月末ドレッシングにも支えられ、週間で10年債イールドは40bps低下、BEIは10bps低下で実質金利は30bps低下の-0.84%。10-2 spreadも若干縮小して、ブル・フラット化の様相。

通貨: 米ドルは、景況感格差から対円では強含んだものの、対ユーロや一部資源国通貨対では下落し、米ドル指数は反発みられず。翌日物リバースレポ市場に資金殺到の報道が聞かれるが、刷り過ぎも米ドル軟調の一因か。元は、人民銀行の元高誘導で対ドルで年初来高値更新。仮想通貨は、週前半は小じっかりも後半で急失速。金への資金シフトや当局の否定的口先介入によるセンチメント悪化の影響大きい。

コモディティ: 原油は、イラン産原油の供給再開より米在庫減少や景気回復期待が優勢で反発。銅は、チリ銅山でのストは続くも中国の景気回復期待高まり上昇。金も、米長期金利の安定と米ドル安傾向が後押しして、1,900ドル台へ浮上。一方、穀物は、コーンが中国の購入キャンセル観測から弱気モード、小麦や大豆もつれ安となった。

来週以降のn225想定: インフレ高進懸念は後退したが、完全に消えた訳ではなく、来週以降は次の注目である6/10発表の米5月CPIと6/15からのFOMCまでのモラトリアム期間と見る。来週はISM製造業景気指数や雇用統計の発表を控えるが、結果にかかわらず、株式市場はいいとこ取りしそうな気配。まずは、75dMAの29,250レベル、更には今回のCPIショック直前の29,500レベルを試せるか。

 

 

                                                                                                                                       

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