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資産クラス毎の値動き分析、各種株価指数イベントの考察、アノマリーの検証、225オプションのリスク管理備忘録です。日本株&デリバティブの運用と金融翻訳で生計立てています。

イベント備忘録: MSCI 2021/05 半期リバランス

MSCI 2021/05 半期リバランスは無難に順方向着地

5/12早朝(日本時間)発表のStandard指数入替えは、追加0銘柄と除外29銘柄。追加ゼロは寂しい限りだが、前回2020/11のリバランス時の除外時価総額ハードルは概ね3,000億円未満だったのに対して、今回は概ね5,000億円未満に上がっており、直近半年の日本株の主要グローバル市場比の相対パフォーマンスが振るわなかったことが影響したと見られる。下図は、5/11引けからリバランス日の5/27引けまで、Longの代替をtopixとし、等ウェイトで除外組をShortした場合の累積%リターンの推移。

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米株インフレ懸念癇癪からCPIショックへと嵐の週でスタート。若干の中だるみはあったが、ジリジリとスプレッドは拡大した。リバランス日の推定売りフローは約5,000億円と観測されているが、コバンザメ組のアンワインドも効いたのか、スプレッドは160bps程縮小し、+4.0%での最終着地となった。下表は、銘柄リスト。

Small指数入替えは、追加16銘柄と除外86銘柄。下図は、5/11引けからリバランス日の5/27引けまで、等ウェイトで前者をLong/後者をShortした場合の累積%リターンの推移。

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米インフレ高進を巡る不透明感に加え、ガイダンスリスクを抱えた決算日跨ぎの銘柄が重しとなり、道中前半は水面下に潜った状況が続いたが、インフレ懸念後退と決算発表一巡で道中後半は急ピッチでの順方向スプレッドの拡大が見られた。最終的には、累積+9.2%のスプレッドで着地した。

下2表は、銘柄リスト。Small指数をベンチマークとするパッシブファンドの規模及び正確な浮動株比率は不明だが、個人的な想定に基づく推定インパクトをDTC(推定需要を直前25d平均出来高で除した値)として示した。低流動物や直近上場物は別として、概ね時価総額600億円超(前回は500億超)で追加、400億円未満(前回は300億未満)で除外となっている。

 

 

 

 

 

                                                                                                                                         

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