The less volatile market, the easier life!

資産クラス毎の値動き分析、各種株価指数イベントの考察、アノマリーの検証、225オプションのリスク管理備忘録です。日本株&デリバティブの運用と金融翻訳で生計立てています。

Weekly Market Summary: 2021/4/30

4/26-4/30: FOMC量的緩和維持も、好調米1-3月GDPやバイデン氏の施政方針演説を受けてテーパリング観測根強く米国債利回り上昇、インフレ期待も高進で実質金利の低位安定が株価下支えに

曜日別の主な材料は、

  • 4/26(月): Tesla1-3月(-)ve
  • 4/27(火): 日銀政策決定会合、Alphabet1-3月(+)ve
  • 4/28(水): 米FOMC、Facebook1-3月(+)ve、Apple1-3月(-)ve、米バイデン氏施政方針演説
  • 4/29(木): 米1-3月GDP(+)ve、新規失業保険申請件数(+)ve、Amazon1-3月(+)ve
  • 4/30(金): 米3月個人消費支出(+)ve

穀物コモディティが確実なインフレ期待反映で高リターン続く。米ドルも経済指標及び"American Family Plan"を受けた金利上昇から反発。ビットコインも急落の反動から大幅値戻し。一方、株式は鈍い値動きが継続でボラも低位安定のまま。

株式: 全体的に小動きの中小幅安。米株は、sp500及びnasdaqが週初に最高値更新を見せたが、好業績発表が続く中でも市場反応はまだら模様であった。日本株は引き続きコロナ感染拡大とワクチン接種遅れが上値圧迫要因となりさえない展開で、月末安アノマリーも昨年9月以降8か月連続となった。上海は引き締め警戒が重しに、欧州株も方向感を欠く流れ。

株価指数ボラ: sp500、n225共にIVは20%未満のまったり安堵状態が続く。指数の動きが限られる中、sp500のHVは10%割れ水準に沈んだ。

f:id:onemonth85putseller:20210501152030p:plain
f:id:onemonth85putseller:20210501152047p:plain

n225オプション5&6月限は、連休控えで、動意薄く、商いも低調。

f:id:onemonth85putseller:20210501151517p:plain
f:id:onemonth85putseller:20210501151543p:plain

債券: 米長期国債利回りは総じて上昇。入札は波乱無し、FOMCはテーパリングはまだかなり先の判断としたが、バイデン氏の施政方針演説や力強い経済指標もあり、市場は警戒を解いていない。10y BEIも8年振りの高水準に上がった為、実質金利はほぼ変わらず。超過準備に適用の付利金利が据え置かれ、短期債利回り低下幅が大きく、10-2 spreadは7bps程拡大。引き締め転換に対しては、市場は遅れを危惧し、当局は拙速を危惧するコントラストが浮き彫り。 

通貨: 米ドルは、大きく反発したが、月間では下げが残る形に。FOMC量的緩和維持となったが、米1-3GDP等経済指標は著しく好調でテーパリング観測は根強い。先週一足早くテーパリングとなった加ドルは、堅調。ビットコインは、米JPモルガン・チェースによるビットコイン・ファンド検討報道等も材料視され、先週に一時4万ドル台へ急落した水準から大きく反発。

コモディティ: FRBのインフレ容認スタンスから最大の恩恵を受けている穀物は、今週も続伸し、資産別の月間リターンは最も高い。原油は需給見通しの強弱対立で小幅高。一方、金は米ドル高が嫌気され小幅安。

来週以降のn225想定: 5d/25d/75dの各移動平均線の収斂進み、指数の煮詰まり感は強い。ボラの低位安定も長期化しており、そろそろ大きな動きが出てもおかしくない。

① 現状は、緊急事態宣言発出で悪材料出尽くしとはなっておらず、緊急事態宣言が延長不可避となるとセンチメントの回復が遅れ、下向きの動きもあり得る。

② 残りの決算発表でバリュー銘柄の今期予想が過度に慎重になり、epsの大きな上積みが期待できない場合も短期的な下落リスクとなる。

③ 来週は、米ISM景気指数の更なる上振れと雇用統計の急改善が見られた場合、実質金利が上昇して、perの下押し要因になる可能性も。

大幅な調整安とはならないだろうが、コロナ感染拡大の収束、無難な今期業績予想、米経済指標発表後の金利水準の落ち着きが揃わないと、上昇トレンド回帰ともならないであろう。

f:id:onemonth85putseller:20210501151943p:plain
f:id:onemonth85putseller:20210501154350p:plain



 



 

 

 

                                                                                                                                       

本内容にある過去データ及び将来の見積、予測、予想に関する情報が正しいとは限りません。また、本内容は特定の銘柄、取引を推奨するものではありません。取引に当たっては、ご自身のご判断でお願いします。売買で被られた損失に対し、著者は何らの責任も持ちません。