The less volatile market, the easier life!

資産クラス毎の値動き分析、各種株価指数イベントの考察、アノマリーの検証、225オプションのリスク管理備忘録です。日本株&デリバティブの運用と金融翻訳で生計立てています。

日付から計る売買タイミング: マザーズ編

下図は、マザーズ指数の2015年以降直近までの6年間の日付別平均リターン(各日付毎に約70サンプル、青棒)と月初からの累積リターン推移(橙線)である。累積リターンが月央を底としたV字形状であることで、毎月前半をショート、後半をロング、往復約4%のeasy moneyが確認できる。

f:id:onemonth85putseller:20210209100757p:plain

以前確認した日経225指数の月初からの累積リターン推移(下過去記事参照)との比較で目立つ違いは、マザーズの月中底が16日に対して日経225は6日である点。この違いの原因を考えるにあたって、もう少し細かくリターンを観察してみる。

onemonth85putseller.hatenablog.com

下左表は、1か月を16日を境に2分割し、前半ショート/後半ロングした場合の月別平均リターンを示している。相対的に高いリターンが観察される2,5,8,11月の前半は、本決算月が3,6,9,12月銘柄の四半期決算発表のピークの時期である。割高グロース銘柄だらけのマザーズは、決算発表を控えたこれらの時期にポジション持ち越しリスクを警戒した売りが出やすいと思われる。一方、月半ばで決算発表が終わると、売り一巡から自律反発的な動きになる。これが、マザーズの月中底が16日になる主な理由と考えられる。

上右表は、マザーズ及び東証1部の本決算月構成比を示している。東証1部に比べて、マザーズは3,6,9,12月を中心に分散しており、12月にはバイオ系の、6月や9月には情報・通信系の時価総額上位銘柄が多く含まれる。銘柄によって進捗の異なる四半期決算発表が相次ぐ2,5,8,11月は、決算playに絡んだ需給の影響が出やすい時期。決算発表のピーク時期に変化が起きない限り、これらの月に絞ってポジション取りすれば、勝率は上がると思われるが、マザーズETF(2516)は逆日歩が付きやすいため、マザーズ先物でのポジション取りが無難か。

 

 

                                                                                                                                               

本内容にある見積、予測、予想に関する情報が正しいとは限りません。また、本内容は特定の銘柄、取引を推奨するものではありません。取引に当たっては、ご自身のご判断でお願いします。売買で被られた損失に対し、著者は何らの責任も持ちません。