The less volatile market, the easier life!

資産クラス毎の値動き分析、各種株価指数イベントの考察、アノマリーの検証、225オプションのリスク管理備忘録です。日本株&デリバティブの運用と金融翻訳で生計立てています。

日付から計る売買タイミング

「安値で買い、高値で売る」という売買の基本に逆張りで向かってしまうのはなぜか?とかく相場の世界は不条理に満ちている。「相場を当てようとするのではなく、周りの楽観と悲観の満干に耳を澄まし、淡々と悲観で買い/楽観で売りましょう」などとしたり顔で講釈垂れる投資評論家を見るにつけ、そりゃそうだろうと思いはするが、「お前は悲観の極みで全力買いできる胆力持ってんのか?」と突っ込みたくなる。

短期投資の結果の積み重ねに一喜一憂する必要のない長期投資なら泰然自若でいられるが、日銭稼ぎの刹那的プレッシャーがかかる自分にそんな呑気なお題目唱えられも、出家でもしない限り心に響かない。

生活のかかった短期投資では、プラスの結果を追い求めるあまり、果断な投資を躊躇ってしまいがちである。相場変動の波をモーゼの海開きの如く巧みにコントロールするなど土台無理なのだから、投資行動を後押ししてくれる"安心材料"を見つけて、短期投資の荒波に向かって行きたいものである。

"安心材料"候補の一つとして挙げたいのは、下図に示した2015年以降直近までの6年弱の日経225指数の日付別平均リターン(各日付毎に約70サンプル、青棒)と月初からの累積リターン推移(橙線)である。興味深いのは、累積リターンがN字形状であることで、毎月6日引けから27日引けまでロング、ドテン27日引けから6日引けまでショートで往復3%のeasy moneyが観察できる。

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無論、この傾向が今後も安定的に続くとは限らない。しかし、月初のリターンが振るわないのは米重要経済指標の発表やSQに向けた不透明感の高まりに起因し、月末にかけてリターンが良いのは月初からのリターンリバーサル、投信設定やwindow dressingへの思惑等からと考えれば、理由としてそれなりに理に適っていると思える。前述のイベントの日程に変更がない限り、今後も続き得る傾向ではと考える。これはこれで、「安値(悲観)で買い、高値(楽観)で売る」という投資の基本に沿っている。

                                                                                                                                               

本内容にある見積、予測、予想に関する情報が正しいとは限りません。また、本内容は特定の銘柄、取引を推奨するものではありません。取引に当たっては、ご自身のご判断でお願いします。売買で被られた損失に対し、著者は何らの責任も持ちません。