The less volatile market, the easier life!

資産クラス毎の値動き分析、各種株価指数イベントの考察、アノマリーの検証、225オプションのリスク管理備忘録です。日本株&デリバティブの運用と金融翻訳で生計立てています。

Weekly Market Summary: 2021/2/5

2/1-2/5: 市場心理急改善でリスクオン満開 - ロビンフッダー喧騒は大山鳴動して鼠一匹、米1.9兆ドル経済対策への実現期待が復活、好業績発表とコロナワクチン接種進展も後押し

曜日別の主な材料は、

  • 2/1(月): ロビンフッダーGameStopから銀買いにシフト、米1月ISM製造業景気指数は前月から低下
  • 2/2(火): GameStop急落
  • 2/3(水): アルファベット好決算、アマゾン創業者ベゾス氏CEO退任表明、バイデン大統領が1400ドル現金給付再強調
  • 2/4(木): 新規失業保険申請件数改善、米民主党単独での追加経済対策法案成立期待高まる
  • 2/5(金): 米上院が1.9兆ドル経済対策実現のための予算決議案を可決、米1月雇用統計は予想若干下回る

先週のロビンフッダー、米コロナ経済対策、コロナワクチンを巡る懸念が後退し、センチメントは大幅に改善、悪材料のない晴天続きの一週間となった。株式ボラティリティは急低下し、債券から株式等リスク資産への資金シフトが明確であった。

株式: 米株は5連騰で、sp500、nasdaq及びrussell2000が高値更新。小型株の顕著な上げは継続、グロースも好業績発表で底堅い日本株も全般にしっかり、中身を見るとバリューシフトが本格化している印象が強い。上海は、金融政策スタンス引き締めと春節入りを前にコロナ感染拡大警戒から鈍い動き。

株式ボラティリティ: リスクオン転換により大きく低下。先週1週間の上昇分をそっくり吐き出しての往って来いで、日米共に20%台まで落ち込んだ。IV-HVスプレッドも急減(下図参照)。20%割れでは、次のリスクオフ転換時へ備えてのボラロングも要検討。

f:id:onemonth85putseller:20210206154741p:plain
f:id:onemonth85putseller:20210206154759p:plain

n225オプションは、ダウンサイドのIVが総じて低下を見せ、スキューも先々週の水準まで下げたことで、OTMプットとOTMコールの合成先物ロングに妙味があった(下図参照)。

f:id:onemonth85putseller:20210206155504p:plain
f:id:onemonth85putseller:20210206155522p:plain

債券: 米国債イールドは、大規模経済対策の実現可能性の高まりを受け、長期債イールドが約1年ぶりの水準へ上昇の一方、2年債は過去最低を付けた。10-2年債スプレッドは約10bps上昇し、イールドカーブのスティープ化が一層進展。ハイイールド債は、リスクオン地合いが支配的な中、強含みの推移。

FX: 米ドルは週を通じて堅調、対ユーロではロックダウン長期化の欧州に対し大規模経済対策を控える一方でワクチン接種進展が見られる米国の景況感格差から強含みの展開。米長期金利上昇の後押しもあり、米ドルはリスクオン通貨に転じた印象。ビットコインも大幅続伸、リスク分散対象というよりはスペキュレーション対象。

コモディティ: 原油は、米経済対策期待に加え、OPEC協調減産の再確認や米北東部の寒波を受けた需給タイト化の思惑もあり大きく上昇。ロビンフッダーの買いで週初に急騰した銀はすぐに息切れ。金は、リスクオン優勢の流れの中、米ドル高を嫌気する形で下げた。

来週の相場想定: 週末のGameStop株は、下げ止まりから全面的な取引規制解除で商いを伴って2割弱上昇した。ロビンフッダー喧騒の余燼はまだくすぶっていると見るべきか。民主党政権及び規制当局による協議はこれからであり、キャピタルゲイン課税の強化といった方向に煙が立たなければいいのだが。

PER低下とEPS上昇が目立ってきており(下左図n225、下右図sp500)、コロナ終息後を見据えたバリュー株主導の本格的な業績相場入りが試される週となるか。グロースがこけるようだと指数の上昇継続は見込みにくいが。決算発表終盤での個別株物色が中心となり、指数は、topix優位の狭いレンジ推移を見込む。n225は、29,000の節目トライに向かうであろうが、28,500~29,100の高原水準を想定する。

f:id:onemonth85putseller:20210206135527p:plain
f:id:onemonth85putseller:20210206135543p:plain

 

 

 

 

                                                                                                                                       

本内容にある過去データ及び将来の見積、予測、予想に関する情報が正しいとは限りません。また、本内容は特定の銘柄、取引を推奨するものではありません。取引に当たっては、ご自身のご判断でお願いします。売買で被られた損失に対し、著者は何らの責任も持ちません。