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資産クラス毎の値動き分析、各種株価指数イベントの考察、アノマリーの検証、225オプションのリスク管理備忘録です。日本株&デリバティブの運用と金融翻訳で生計立てています。

Weekly Market Summary: 2021/4/16

4/12-4/16: 好調な米経済指標と米長期金利安定の両立からゴルディロックス相場色滲む、米ロ/米中の地政学リスクが頭をもたげるも、全方位型リスクオンの流れ

曜日別の主な材料は、

  • 4/12(月): 米3&10年債入札
  • 4/13(火): 米3月CPI - 予測超、米J&Jワクチン接種中止勧告、米30年債入札
  • 4/14(水): ベージュブック、米主力金融決算
  • 4/15(木): 米3月小売売上高 - 予測超、米新規失業保険申請件数 - 大幅改善
  • 4/16(金): 中国1-3GDP、中国3月鉱工業生産、日米首脳会談

予想以上に強い経済指標も想定済みなのか、米長期金利が動かなかったことがリスクオンの流れを決定づけ、株価指数ボラは低位安定し、米ドル以外の資産は上昇した。

株式: 米株は経済指標と企業決算が共に好感され堅調な展開、nydowとsp500は最高値更新し、nasdaqも2/12高値回復目前まで戻した。欧州や新興国も全般にしっかりの一方、中国はタイトな金融スタンスや米中緊張から軟調日本株も、コロナ変異株感染拡大への警戒や企業決算を控えて高い期待値からの反動安懸念から、膠着ながらも軟調なセンチメント漂う流れ。

株価指数ボラ: sp500は16%台前半へ続落し、20営業日ベースのHVは10%割れ目前。また、nasdaq100も20%台前半まで低下。n225は、一時16%半ばまで低下も、週末にかけてやや切り返した。n225オプション5月限建玉残は、285Pと280Pで7,500枚増加が目立ち、IVはダウンサイド上昇&アップサイド低下でskewがやや上げで下落対応か。

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債券: 米10年債利回りは一時1.5%台前半まで低下。米国債入札は順調に消化され、地政学リスクや日本勢の買いを受けた利回り低下観測に加え、米経済指標発表で材料出尽くしからショートーカバーの動きが強まったか。インフラ投資の増税カバーに加えて流通市場での需給も好転。

FX: 米ドルの1弱。予想上回る米経済指標でも米長期金利が安定を示したことで、結果的に市場はFRBの見立てに追随の恰好。地政学リスク台頭もリスク資産高で米ドルは選好されず。ビットコインは、高値警戒感を孕みつつも上昇。

コモディティ: 原油は、米中経済指標の強さや米原油在庫の減少を受けた良好な需給視界や中東情勢のきな臭さを受けて大幅高。金は、米ドル安や米長期金利の安定とインフレ期待の高まりを反映した実質金利低下から堅調。銅や穀物全般も同様の流れからしっかりの展開。

来週のn225想定: 日本株の直近の停滞は、対欧米の相対株価で見るとわかりやすい。下図は、昨年1月末起点の日米独中株価指数の累積リターンの推移だが、今年2月以降は欧米の強さについていけていない。昨年の米大統領選でのバイデン勝利からバリュー株押し上げ相場の流れが加速したが、コロナ変異株感染拡大とワクチン不足に業績警戒で軟調な動きに転じている。

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コロナ変異株の感染拡大とワクチン不足と接種遅れへの懸念が決算発表直前に重なったことで、業績回復期待の高いバリュー株への警戒感は強まっている。コロナを巡る状況がやがては改善するとしても、今期の会社業績予想に保守化圧力が加わり、市場が期待外れと見做せば、今週頭の安川電機に対するリアクションと同様のネガティブな決算発表リスクは残る。

尤も、こうしたリスクはn225よりもtopixで意識されるものなのであろうが、n225も最近の米長期金利の低下を受けた米ドル安の動き次第では下向きのリスクが残る。いずれにしても、来週はコロナと米ドルを睨みながら、決算本格化直前の正念場の週となる。

 

 

 

                                                                                                                                       

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