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資産クラス毎の値動き分析、各種株価指数イベントの考察、アノマリーの検証、225オプションのリスク管理備忘録です。日本株&デリバティブの運用と金融翻訳で生計立てています。

Weekly Market Summary: 2021/3/26

3/22-3/26: コロナ感染再拡大と景気回復に対する不透明感から週前半はリスクオフも、当局者の楽観発言を切り取り週後半は景気回復期待優勢でリスクオンへ、財政悪化と増税が瞬間的に頭をもたげるも、本格的な織り込みはコロナ感染収束と業績拡大が見えてからか?

曜日別の主な材料は、

  • 22(月): 
  • 23(火): パウエル議長&イエレン財務長官下院議会証言、米2年債入札、ドイツがロックダウン延長
  • 24(水): パウエル議長&イエレン財務長官上院議会証言、米5年債入札、スエズ運河で大型船座礁、ドイツがロックダウン延長撤回
  • 25(木): バイデン大統領記者会見、米7年債入札、新規失業保険申請件数
  • 26(金): 

前半の下値模索から後半は切り返しのシーソー相場で、週間では終わってみれば、大きな変動は見られなかった。各資産市場で警戒と期待が交錯する中で、ボラティリティは一層の低下を示したが、やや楽観が過ぎる印象も。

株式: 米株は補完的レバレッジ比率の緩和延長終了、日本株は日銀のETF購入topix型限定を受けた仕掛け売りでスタート、コロナ感染再拡大や景気回復の遅れ警戒感も加わり、下げ幅拡大。その後は、ドイツのロックダウン延長撤回や原油価格の戻りにバイデン大統領のワクチン接種加速化計画を受けて市場心理が好転し、nydowとsp500は最高値更新で週を終えた。日本株は、日銀のETF購入対象外となったn225の下げがやや大きく、マザーズも戻りのきっかけがつかめないまま。

株価指数ボラ: 指数が小動きの中、sp500とnasdaq100共に年初来最低水準まで下落。n225も低下基調だが、日銀のETF購入から梯子を外された影響でoptionalityが高まり、20を割れるまでには至っていない。2月以降は、n225>sp500が定着した感あり。

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流石にここまで下がると、逆張り志向の強い典型的日本人としては、ボラ買い欲も出てくる。引き続き注目すべきは、VIX先物(sp500)の投機筋建玉のネットショート残が減少継続 (売り残減少/買い残増加) している点。市場の慢心が徐々に意識され始めたと見れなくもない。2018年2月のVIXショックは、1月雇用統計での平均時給の予想以上の伸びに端を発して起きたが、今後はFRBが繰り返し強調しているベース効果による物価関連指標の急伸が出た時の市場の反応次第で似た状況が訪れないとも限らない。

n225オプションは、4月限の90/110 skewが3/24に15越えでピークアウトした。結果論だが、シンセティックロングが最良だったことに。

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債券: コロナ感染再拡大と景気回復の遅れに対する警戒感もあり、イールドは小康状態。先月の利回り急上昇のきっかけとなった米7年債入札だが、今回も低調だったものの耐性が備わってきたのか反応薄。米10年債利回りは、週末にかけて上昇を見せたものの、先週の1.73%を上回らず、BEIはやや上げたため、実質金利は8bps程低下した。社債は、ハイイールド・投資適格共にしっかり。

FX: 米ドルは、長期金利が落ち着いた動きの中、リスクオフ通貨扱いとなり堅調な動きを示した。一方、ユーロはコロナ感染再拡大やワクチン接種の遅れが嫌気され軟調な展開。円は110円目前まで下落。新興国通貨では、トルコリラが中銀総裁解任を受けて急落。ビットコインは、ロビンフッダー等個人からの買いフローの低下が観測される中で下落。

コモディティ: 金は、リスクオフムードと米ドル高の好悪材料が交錯する中やや下落。原油は、コロナ感染再拡大を受けた需要不透明感がスエズ運河での大型船座礁による供給懸念で相殺され、週間では小幅安。穀物は、コロナ感染再拡大が重しとして残り、軟調な展開。

来週の株式相場想定: n225は3/18の直近高値から3/24までの下げの約6割戻しの水準。当面は日銀のETF購入対象外となった影響も残るとは言え、現物配当取りや先物配当再投資の買いも見込まれるため、ショート踏み上げからの意外高もあるか。来週の注目カタリストは、バイデン米大統領が31日に発表予定のインフラ投資計画。

 

 

 

                                                                                                                                       

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