2021年2月の東証1部昇格組入は6銘柄(下表参照)で、時価総額100億未満のマイクロキャップ銘柄はなし。マザーズからは、昇格予告付きのウェルビー(6556)とサーバーワークス(4434)に、Sansan(4443)を含めた3銘柄。2部からは、万年2部だったブルドックソース(2804)とアルプス物流(9055)に、出戻りの東芝(6502)を加えた3銘柄。
東芝(6502)は、債務超過確定で2017年8月に2部降格してから苦節3年半での1部復帰。途中、2020年1月の子会社のエア取引発覚で早期の1部復帰は遠のいたかに思われたが、2020年2月の東証による同社の為のルール改定(形式要件中の有報虚偽記載や監査不適正意見「過去5年間無し」が「過去2年間無し」に緩和)に助けられ、2020年4月に1部指定申請し、10か月近くの慎重な審査を経てようやく承認となった。
下図は、昇格承認後からパッシブ買付日までの指数化チャート(昇格承認日引け=100)。道中リターンにはかなりのバラつきが見られた。Best perfomerは低流動でインパクトが大きかったブルドックソース(2804)の+40%。元々、業績以外の適時開示が少なく、2部上場してから約50年後の昇格と来ればサプライズ感も大きく、一貫して上昇を見せ、第4コーナーで記念優待発表もあり再加速した。一方、Worst performerは、アルプス物流(9055)の-6%。特段のカタリストも見当たらない中で、承認前10日間で34%の急伸はサイダー臭プンプン。この手垢がネガティブに働いたと思われる。
本日のパッシブ買付日は、米株の戻りを受けて相場全体は堅調ながら、寄り天の銘柄が多かった。信用取組拮抗で需給のアヤから急落場面も見られたブルドックソース(2804)等が重しとなり、6銘柄平均では1.3%のマイナスリターンとなった。
本内容にある過去データ及び将来の見積、予測、予想に関する情報が正しいとは限りません。また、本内容は特定の銘柄、取引を推奨するものではありません。取引に当たっては、ご自身のご判断でお願いします。売買で被られた損失に対し、著者は何らの責任も持ちません。