一時は60越えもあったVIXは足元20台半ばでやや落ち着いている(図1参照)。2017年以降では、概ね10から20のレンジで推移しているが、30まで上昇した山が今回のコロナショックを除くと2度確認できる。2018年初めの利上げ局面における量的引締時と2018年末の利上げ強行時でいずれもタイトな金融政策対応がトリガーとなっている。
FRBが株式市場に逆らう愚行を繰り返すとは思えないので当面は金融政策対応がいわゆるVIXショックにつながる可能性は低いと考える。あるとすれば、現状つりあっている理想と現実のバランスが大きく崩れる時であろう。コロナ感染拡大終息やワクチン開発成功への期待が剝がれ、再度のロックダウンや業績回復までの時間の長期化といった実態悪重視の流れが相場に織込まれる時が想定される。
VIXに上方向の動きが出てくるか見極める上でVIX指数先物の投機筋ポジションに注意することが重要と考える(図2参照)。当然のことながら、警戒感が強まるにつれて買いポジション(赤線)は積み上がり、売りポジション(青線)は減っていく。最も留意すべきは買いポジションが10万枚を越えて急激な積み上がりを見せる時と思われる。足元は大丈夫だが、買いポジションの状況を見ながら臨機応変にvegaロングのポジションを取るのが適切な対応であろう。
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