金利の付かない金は、名目金利の低下を好感します。また、インフレヘッジの特性を備えた金は、債券と異なりインフレ率の上昇を好感します。つまり、金が上がるための最適条件とは、実質金利の低下ということになります。
左下図は、米10年債利回りを赤線、インフレ率を青線、実質金利を緑面(右軸)で示した直近1年の推移です。右下図は、金価格(軸反転)を赤線(右軸)、実質金利を青線で示した同じ1年の推移です。きれいに連動しています。
3月中旬にかけては、米ドルの流動性危機に伴い金利が上昇する一方で、ロックダウンによる経済活動停止でインフレ期待が低下し、実質金利が上昇したことで金価格が急落しましたが、その後の大型の経済対策や流動性供給によって実質金利が低下し、金価格も反転上昇しました。
当面は低金利が続くものと思われ、コロナ感染状況が更に大きく悪化して再度のロックダウンとならない限り、金価格も強含みが継続すると考えます。
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