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資産クラス毎の値動き分析、各種株価指数イベントの考察、アノマリーの検証、225オプションのリスク管理備忘録です。日本株&デリバティブの運用と金融翻訳で生計立てています。

2020米大統領選に向けたボラティリティ想定

11/3の米大統領選挙まで2か月を切った。

前回2016年は、事前のクリントン氏優位のコンセンサスが覆り、トランプ氏勝利という想定外の結果。前回の大統領選挙前後の日米指数とボラティリティ推移を確認すると、ざっくり言って、投票前は指数の動きが小さな割に、ボラティリティはかなり上昇していた。しかし、ボラティリティの天井は投票直前週末の11/4であり、この時点で波乱の可能性は低いと見切ったということになるか。

一方、投票結果が判明した11/9は、日本株が暴落で日経VIは急騰したものの、米株は小幅高で終え、それを受けた翌11/10の日本株は大幅に切り返し、ボラティリティは急低下という流れ。

今回、現状はバイデン氏優位との見通しだが、前回の経験が今回の対応に影響する履歴効果も考えられるため、前回の記憶が喚起される機会が今後増えていくに従って、ボラティリティ買いたしの向きも増える、即ちvega longの投資妙味が増す展開も。従って、前回と同様の経路を想定するなら、10月最終週初にvega longを取り、週末にドテンvega shortが適当か。

2016年大統領選挙前後の指数推移(2016/11/8=100) 

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2016年大統領選挙前後のボラティリティ推移

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今回は、郵便投票のウェイトが高いことや極右系テロの発生もあり、結果に対する法廷闘争リスクも残る。無論、反論の余地のない圧勝であればそのリスクはないが、いずれにせよ、投票日の11/3は日本では祝日だが、日本時間の11/4中に大勢が決する可能性は低い。そのため、前回とは違い、sp500 VIXは投票日後も高止まりする可能性もあると考えられるため、vega longを投票後まで引っ張ったほうがいいのかも。

いずれにせよ、米国発の材料に一番最初に反応を示すのが日本市場である(Globexがあるから関係ないかw)。ただ、誰が勝利するにせよ、FRBの金融緩和政策という土台に変化が起きないなら、選挙後の株式市場はしかるべき水準に収斂していくだけ。政治イベントは短期変動を引き起こす一要素に過ぎない。より大きな投資機会は選挙前であって選挙後ではないと思う。

2020/10/20 追記

                                                                                                                                               

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