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資産クラス毎の値動き分析、各種株価指数イベントの考察、アノマリーの検証、225オプションのリスク管理備忘録です。日本株&デリバティブの運用と金融翻訳で生計立てています。

エヌビディア後米雇用統計

米経済指標が総じて底堅さを示す中、週前半の米株はNVDA決算に対する様子見で推移し、決算発表後は期待の高さとBlackwellへの懐疑的見方から下落するも変動幅自体は限定的であった。こうした流れはVIX指数の期間構造で確認でき、NVDA決算発表日の8/28のVIX1D指数は急伸した後翌日は出尽くしから急落となっている。VIX1D指数の算出が始まった2023年4月以降で常に観察されるNVDA決算に絡んだ恒例の動きである(下図参照)。

Magnificent7の決算発表が出揃ったことで、今後の焦点はマクロに移る。9/6(金)には8月初旬の大幅下落のきっかけとなった米雇用統計の発表が控える。8月初旬以降の株価回復は、米経済指標に底堅さが目立ったことで米景気後退懸念が後退し、リスクオン・センチメント回復となったことが大きい(下表参照)。

今回の雇用統計で前回7月の下振れの主要因であったハリケーンによる一時的要因が剥落することで雇用者数の回復と失業率の低下が確認できれば、目先はインフレの低位安定と併せたソフトランディング期待主導でのゴルディロックス相場が見込まれる。一方で、雇用統計に改善が見られない場合、失業率の「サーム・ルール」抵触や米国債10-2スプレッドがプラス転換目前であること(下図参照)を考慮すると、米景気後退の現実味が増して、荒れ模様の相場に逆戻りとなるため、今回の雇用統計は年内相場の基調判断の試金石となる。

 

 

 

 

 

                                                                                                                                               

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