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資産クラス毎の値動き分析、各種株価指数イベントの考察、アノマリーの検証、225オプションのリスク管理備忘録です。日本株&デリバティブの運用と金融翻訳で生計立てています。

Weekly Market Summary: 2021/10/15

10/11-10/15: 業績相場と逆金融相場の狭間で、、、

 曜日別の主な材料は、

  • 10/11(月): 
  • 10/12(火): 米8月JOLT求人 - (実)10.439M (予)10.925M (前)11.098M
  • 10/13(水): 米9月コアCPI - y/y (実)4.0% (予)4.0% (前)4.0%、m/m (実)0.2% (予)0.2% (前)0.1%
  • 10/14(木): 中国9月PPI - y/y (実)10.7% (予)10.5% (前)9.5%、米9月PPI - y/y (実)8.6% (予)8.7% (前)8.3%、m/m (予)0.5% (予)0.6% (前)0.7%、米新規失業保険申請件数 - (実)293K (予)319K (前)329K
  • 10/15(金): 米9月小売売上高 - m/m (実)0.7% (予)-0.2% (前)0.7%、米10月NY連銀製造業景気指数 - (実)19.80 (予)27.00 (前)34.30、米10月ミシガン大学消費者信頼感指数 - (実)71.4 (予)73.1 (前)72.8

米インフレ指標は高止まりからやや軟化し、米景気指標は一部予想上振れが好感され、好調な米金融決算も後押しで株式は週後半からリバウンド。10年物BEIは2.56と5月高値を更新し、根強いインフレ懸念も。インフレ高止まりを受けた早期利上げ織り込みで米短期債中心に債券売られる一方、景気減速&スタグフレーション懸念から米長期債の動意は限定的で、イールドカーブはフラット化。中国恒大問題は、政府及び金融当局の厳格姿勢やや後退で、一時的に警戒薄れる。

株価指数ボラティリティは、週後半のリスクオンを受け、HV水準までIVは急低下。 

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コモディティは、生産予想が上方修正された穀物以外は総じて上伸。原油は続伸、天然ガスも強含み、中国の景気減速懸念から低迷が続いていた銅も電力不足から供給面に焦点が移り急騰。通貨は、エネルギーや金属高を映し、新興国通貨の一角と資源国通貨が強含み。また、ビットコインETF取引開始への期待の高まりを受け、4月以来の6万ドル台回復。 

n225は、週初の金融所得課税引き上げ回避を好感し、週末にかけて75dMAと200dMAを一気に回復して29,000を越えたが、売買代金は2兆円台半ばでやや低迷が続き、ショートカバー中心で積極的に買いあがる感じはない。後は、下向きのままの25dMAが29,300に控える。

再来週には業績発表の本格化と中国恒大のデフォルトモラトリアム明けを控えており、来週は動きづらさが目立つ、狭いレンジでの取引となりそう。好調な業績と中国恒大問題の軟着陸が確認できれば、業績相場への回帰も期待できるが。中国恒大デフォルト由来の不動産バブル崩壊がマクロ面の減速感を高め、期待外れの企業業績がミクロ面での失望感につながり、高止まりするインフレからスタグフレーション懸念が再燃し、株・債券共に下落の逆金融相場的展開への移行も有り得なくはない。

 

 

 

                                                                                                                                       

本内容にある過去データ及び将来の見積、予測、予想に関する情報が正しいとは限りません。また、本内容は特定の銘柄、取引を推奨するものではありません。取引に当たっては、ご自身のご判断でお願いします。売買で被られた損失に対し、著者は何らの責任も持ちません。